海外不動産の減価償却を見直し? | ハワイ、ワイキキでコンドミニアムを買う!  

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4/26/2017

海外不動産の減価償却を見直し?

ハワイのコンドを購入するということに関して有益な情報がないかといつも探しています。そうした中でちょっと気になる話を見つけました。

昨年の後半に会計検査院が海外不動産の減価償却について意見を出しました。簡単に言うと、築年数が大きい海外不動産を購入して賃貸することで、建物を短期間で償却し、節税している人がいるが、かなり古くなった日本の減価償却期間のルールを海外不動産に適用するのは、合理的ではないのでは?というものです。

詳しく知りたい方は、会計検査院のウェブサイトをご覧ください。

方針自体の見直しが気になるのですが、報告の中に出ていた数字が興味深かったです。検査員は、所得税額の申告納税額が多額となっている麹町税務署など10税務署から証拠書類として提出された平成23年分から25年分までの確定申告書等を調べたとのことです。

  • 国外に建物を所有していた延べ751人が減価償却費を計上していた建物延べ1585件のうち、耐用年数が10年以下の建物で中古と判断される建物、また、耐用年数が10年を超えて中古である旨の記載があった建物は延べ562件。(一人あたり2軒以上を貸し出していることになります。この数字からすると中古購入は少数派になります。)
  • このうち、国外の中古等建物は延べ511件で、減価償却費の合計は39億8650万円、所有者数は延べ337人。(年間の減価償却は、1,200万円近くになります。多分、これを給与所得から減損しているはずです。)
  • 国内に所在する中古等建物は、耐用年数が11年以上となっているものが過半を占めていたのに対し、国外に所在する中古等建物は耐用年数が4年、7年または9年となっているものが多く、とりわけ「4年」となっているものの割合が、国外に所在する中古等建物全体の約半数を占めていた。(償却期間4年が一番多いというのは、節税目的というのがバレバレな感じです。)
  • 減価償却費と賃貸料収入を比較してみると、国内の中古等建物の90.1%が賃貸料収入の半分以下となっていたが、国外の中古等建物については、減価償却費が賃貸料収入を上回っているものが83.2%。これらの中には、賃貸料収入の10倍を超えるものもあり、賃貸料収入を大きく上回る減価償却費が計上されていた。(海外不動産の減価償却による節税効果は大きいということです。)

会計検査院としては、「賃貸料収入を上回る多額の減価償却費を計上している者は、不動産所得に損失が生じ、給与所得等の総合課税に属するほかの所得と損益通算を行うことで、所得金額および所得税額が減少することになる」、また、「将来的に減価償却費を計上できなくなり、不動産所得や所得税額が増加するが、中古等建物を譲渡したり、出国して非居住者になれば、将来的に増加する所得税額の一部を負担しないことになる」という意見を出しています。

減価償却等で給与所得から差し引いている分については、将来において不動産を売却した際に税金を納めることになると私は考えていますが、国の考え方は、海外不動産の減価償却は現実に即していないから、その分で所得税を取り逃しているのは改めるべきということのようです。

法律が変わるには、それなりの時間がかかると思いますが、今後は注意していく必要があると思います。


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