海外不動産の赤字を給与と合算できなくなることが確実に(3) | ハワイ、ワイキキでコンドミニアムを買う!  

Translate

12/02/2019

海外不動産の赤字を給与と合算できなくなることが確実に(3)

海外で購入する不動産から生まれる所得の赤字と給与所得の合算が禁止されるということについて考えています。3本目の投稿は、これからどうすべきか?を考えたいと思います。

海外に不動産を持って、それが黒字であれ、赤字であれ、日本で確定申告をしなければなりません。税制変更で減価償却の赤字を合算することが認められなくなるとどうすべきかが、本日のテーマです。

問題を煎じ詰めていくと、富裕層の場合は、不動産の所有から売却に至るまでの税金が、累進課税となる日本の所得税とあまり差がなくなるということになると思います。給与の所得税率が20%より低い人は、不動産所得の損失を給与収入と合算して、最後に譲渡課税を払うと、所得税に対して還付された税金の方が安くなるので、税金だけを考えると損するのですが、値上がり益や細かいところを考慮する必要があります。

ということで、人それぞれのケースで結論は異なると思うのですが、これからは法人所有を考えておくべきだと思います。現地にLLCを作って法人所有にすると、日本の確定申告と切り離すことができます。結果として日本での減価償却は関係なくなります。アメリカでの黒字をLLCから受け取る給与収入としない限り、日本での申告の必要はありません。

詳しいことは税理士に確認する必要がありますが、理論的に考えて、会社を解散して投資利益を確定するまでは、物件の価値そのものに関する日本における確定申告は不要であろうと思います。海外で所有している不動産に関する税金が高くなるのであれば、できることを考えるしかありません。日本での処理が複雑になるなら、LLC を作って会社所有にするのは一考の価値があると思います。

LLCを作って維持する費用は、年間300-600ドルぐらいです。英語の読み書きが必要ですが、日本の確定申告を税理士に頼むよりは安く済みます。LLCの所有にしてもアメリカでのタックスリターンは、法人として行う必要はありません。Disregarded Entityと言って、法人だけど無視できるという形態で個人で所有しているのと同じように申告できます。日本では、5年を超えないと不動産の売却は、短期所有の譲渡税が30%と高くなるのですが、法人所有にすればこの点も関係なくなるだろうと思います。

以前は、例えばアメリカの不動産を法人所有にしていると、法人の株式譲渡として、不動産の価値よりもかなり低い金額で相続するようなことが可能だったようです。しかし、国税は、不動産の資産のみを持つ会社は、会社の株式を譲渡する方式を認めなくなりました。ですので、法人を絡める方式自体も、国税がこの先どういう取り扱いにするかも注意が必要と思います。

現時点での税制がどう変わっても正しく納税を行うことは当然です。そもそも不正を行うほどの理解もスキルもありません。変更点を確認して、法人所有を検討するのが今の所考えられる現実的な対応だと思います。

2019/12/13 追記
税制大綱が発表されて、毎年の申告で処理できない減価償却については、物件の売却時に対応する方針となることが分かりました。不動産の減価償却だけが進んで処理できず、売却時にその分も譲渡税を支払うという理不尽な状況がないことが明確になりました。すでに海外不動産を所有している方は、そのままの状況で様子見するのが良いと思います。


0 件のコメント: