海外不動産の赤字を給与と合算できなくなることが確実に(2) | ハワイ、ワイキキでコンドミニアムを買う!  

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12/01/2019

海外不動産の赤字を給与と合算できなくなることが確実に(2)

海外不動産の損金合算に関するルールがなぜ変更されるのかということを前回考えてみました。今回は、改正について気になるポイントをまとめたいと思います。

富裕層が不動産の減価償却を有利に活用しているという背景で行われる税制変更です。まずは、減価償却自体をどのように扱うかということがポイントです。不動産収入の損失処理は、白色申告では、その年に処理しなければならず、翌年に繰り越すことはできません。青色申告だと3年です。

減価償却は進んで売却時の税金が増えるのに、所有している間の赤字をきちんと処理できないのは問題だと思います。アメリカでも所得と合算する方法はありますが、不動産所得以外に収入がない場合、減価償却を含めた不動産収入の赤字は、物件の売却を行うまで、積算することが可能です。毎年、減価償却も進行するけれど、損金も同時に積み上げられるわけです。アメリカの方式は合理的だと思います。

問題点の繰り返しになりますが、減価償却分が多額になることを利用して所得税を下げることを当局としては阻止しようとしているわけです。政府が取り損ねている税金を取り戻す方法は3つです。

まず、譲渡税の税率を上げることです。国内20%、海外40%にすれば(個人的にはこれは止めてほしいです)税収を上げることができます。次は、最短4年になってしまっている償却期間を伸ばす方法です。私自身の場合は、日本の確定申告の償却期間は16年で、アメリカのタックスリターンは28年です。最後の方法は、合算を一切禁止するという方法です。どうなるでしょうか。

次に気になるのは、過去遡及です。ルールの変更を過去にさかのぼって適用するのか?というポイントです。私は、2013年の購入時点から損失を給与収入に合算し、所得税の還付を受けてきました。ルール変更でどうなるでしょうか?例えば、減価償却の計算方法が変更されると、何年何月何日まで購入した物件は、Aの方式で、それ以降は、Bの方式で計算しなさいになっています。今回の変更はどうなるのか?気になります。

また、この適用のタイミング、過去遡及は、駆け込み需要の問題に関わってきます。法律の施行が2021年4月1日であれば、3月31日までに購入が完了した物件は、現行法で処理できる可能性が高いです。そうすると、それまでに海外不動産を買いたい人が増えるかも知れません。どうしても節税効果を得たい人は、政府の発表を待って一気に動く必要があるでしょう。

この件に関してネットの記事を読んでいると、この税制変更でハワイの不動産価格が下がる可能性に触れられていところがありました。日本人でハワイの不動産を買っている人は存在しても、決した多数派を作っているわけではなく、日本人富裕層がそこまでの影響力を持っているとは思えません。自分自身への影響としては、それほど大きな影響を受けるとは思っていませんが、長期的な課題が出てくる可能性があるので引き続き情報収集を心がけていきます。


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